日本の古典文学作品において「食」がどのように扱われてきたのかを検証する 〈食の文化史〉。文学研究者のみならず、食物史・料理史・文化人類学・民俗学・ 日本語教育といった、さまざまな分野からのアプローチを試みる。また地域については、 中国・韓国・インドのアジア諸国、欧米の研究者など異文化の視点からも記述する、 興味尽きない「食」探求の書。 日本の〈食〉の抱える諸問題、殊に環境と食の問題についても取り上げ、食の問題への 新たな提起を含んでいる。食を基軸とする環境文学史の最初のステップを本書に おいて踏み出す。
【主要目次】 T食を語る ■座談会 食と文学 (小峯和明/ハルオ・シラネ/渡辺憲司(司会))
■基調論文 ・古典文学における〈食〉の登場 (小峯和明) ・詩歌、食文化、魚 (ハルオ・シラネ)
■エッセイ ・和食の文化 (原田信男) ・インド古典文献にみる食 (小西正捷) ・和食の器 (宮本瑞夫) ・長崎の食文化―南蛮から和・華・蘭へ (若木太一) ・幕末京都町人のくらしと食―ある呉服商人の日記から (島崎とみ子) ・酒詩と茶詩 (張 龍妹) ・韓国の食文化と孝子説話 (金 英順) ・「食」と日本語の表現 (鶴田洋子) ・パン・スタンプ―消えゆく食文化についていの一考察 (レンナ鈴木 オルネラ) ・鼎談 日記と食―大名の饗宴資料と下級武士の日記 (武井協三・青木直己・渡辺憲司)
U食の文化史 ■古代篇 ・「食」を詠む歌 (錦 仁) ・物語と食―鵜飼のことなど (室城秀之)
■中世篇 ・説話―食と欲 (竹村信治) ・軍記と食―『太平記』の合戦叙述を中心に (和田琢磨) ・御伽草子『酒呑童子』『伊吹童子』の肉食論 (ケラー・キンブロー)
■近世篇 ・料理書の成立と展開 (江原絢子),,,,, ・俳諧と食―食が主役となる詩歌 (喜多真王),,,,, ・ガイドブックの誕生―江戸初期の食文化 (安原眞琴),,,,, ・西鶴とジビエ料理―「青鷺の杉焼」と「鶉の焼鳥」 (平林香織),,,,, ・近松門左衛門の描く「百姓」―近世演劇の「食」と生産 (加藤敦子),,,,, ・闇中の茶漬 (伴野英一),,,,, ・遊郭と食―『諸艶大鑑』第一の三〈夜起〉考 (渡辺憲司),,,,,
V食の図像、イメージ,,,,, ・戦場の饗宴―食の現場を絵巻に見る (楊 暁捷),,,,, ・『酒飯論絵巻』の絵と言葉 (宮腰直人),,,,,
W食の文化誌(食の環境文化),,,,, ・焼き魚と鳥の足―人間、動物や食物の関係と作法の由来に関する一考察 (ミヒャエル・キンスキー),,,,, ・食とタブー−特に肉食禁忌をめぐって (伊藤 聡),,,,, ・本草書・博物学と食 (増尾伸一郎),,,,, ・名所案内記と食 (藤川玲満) ・日本料理の高盛の文化的重要性 (エリック・C・ラス) ・寺社における食物の供物―日本文化を理解するための手がかり (アラン・グラパール)
X 研究文献目録 ・「食」研究文献目録抄 (目黒将史・森 暁子)
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